犬と散歩と時間

2023.4.23

うちのコ、シーズー犬のSivaも2022年末に8歳になった。
犬は7・8歳からが老犬期なんだそうだ。小型犬の寿命をググると14歳とあり、犬生の半分近くが老犬ってことになるのね。

老犬になってきたからか、のったりのったり歩くようになった。
最初は、足をケガしたのかと思った。でもびっこひくでもないし、家の中では駆け回ってるしソファやベッドに飛び乗り飛び降りてもいる。
お散歩でなかなか歩かないのは以前からある。しかしここまでゆっくりだったり、立ち止まったまま動かなかくなったりは、そうまでなかった。
禁煙始めて心の余裕ない身で、イライラさせられた。しばらくの間。

強風や、大きな音をこわがるようになったのに気づいた。
人間だってそうだよね、と思う。年齢を重ねてくる間にいろんな経験が増えて知ったあれこれで、こわくなる物事も増えたりする。以前はなぜこわくなかったのだろうと不思議になったりもする。

ともかくもお散歩なので、歩いてもらわないと話しにならない。観察し対処を工夫してみた。
それでも、強い風が吹いている日や、Sivaの気分のノラないような日はどうしようもないのだけど。
結局何が効いたかというと、ひとつは食べ物。そして私の側の、忍耐。

これまで、お散歩中におやつなどの食べ物を与えるのはしてこなかった。
食べ物でつるんだったら、ついでに横を歩くよう躾にトライしてみようと考えた。犬の躾って、素人の私の考えでは、長く時間のかかるもの。なのでひと月ふた月試してみてどうとは言えないとも思うんだけど、うちのコには不向きかもしれない。シーズー犬の特徴でもある頑固さ、頭がいいがゆえにしっかりと自分があるかんじで、ちょっとはつられるけど「おかしい」と思うのか止まってくれるまで待つというのをする。こちらとしては「バレたか」と思うのだ。まぁそれでもテッテッテッテッテッぐらいは動いてくれるので、頑として歩かないときには有効だ。

犬も察するというのができるようだ。長く一緒にいるうちに、人間の言葉、その音や口調を理解できるようになる。人間の子どもでいえば2・3歳児ていどの知能もあるのだと云う。私のイライラも、たぶんうちのコはわかる。わかってイライラさせないようにするというのではない。逆な気もする。つまり逆なでしてくれるような様子を見せるのだ。だからこそ何かしら影響しているようだと考えられる。

相手を変えるには、まず自分が変わることだ。少しでも心の勉強をしておいてよかったと、こういうときに思うのよ。

たとえ具合が悪かったとしても、犬は人間のように訴えることはできないししない。だからこちらがどのくらい観察できるかが勝負、と思ってるところが私にはある。お散歩に出ても歩かない・歩き方が変わったのは、病気やケガのせいな可能性はないだろうと思えた。
そうなれば、問題は私だ。私の心のゆとりを取り戻すのが先決で重大事。そう考えた。

そして今、うちのコとのゆっくりの時間を楽しんでいる。
頑として動かない、というのはなくなった。テケテケと私にとって快適な速度で動いてくれるでもないけれど、まぁそれなりには歩いてくれるようになった。
ベンチで休憩し、ふたり(一人と一匹)で、ぼーっと静かな時間を過ごす。
贅沢でかけがえない時間だと感じられるまでに、私の心のゆとりも戻った。うちのコと一緒にいられる大切なたいせつな時間。

体は痛むけれど。やりたいことや夢中になれるものを見失ってしまっているけれど。だからこそ、ぼーっとしてもいられる。最近の毎日はただの時間潰しになりさがってしまっていて、ただの時間潰しならば、かわいいかわいいうちのコに全力で使ってもらえるじゃないか。早く帰ってあれをしたいのにと焦ったりもしないもの。

これ以上五十肩が悪化するのだけがこわい。痛みはもちろん、うちのコを抱き上げられなくなるとすごく困る。マンションの敷地内が犬を歩かせるの禁止だったりで、うちのコを抱き上げる機会ってちょこちょこあるんだ。
散歩が困るだけじゃない。今だって、枕元で眠るのへ手を伸ばすことができなかったり、思うように触れられないのを悲しくさみしく思っている。

つれづれ

Posted by nao