ヒーローズ・ジャーニーについて|英雄の旅の扉
あなたは会社員だ。つり革に捕まって、通勤電車に揺られている。
あなたは学生かもしれない。机に頬杖をついて、授業を聞き流す。
あなたは家庭の主婦かもしれない。家族を送り出し、ひとり食器を洗っている。
ふと、顔を上げる。何かが気になった。何かに呼ばれでもしたような気がする…
いや、そんなことはない。気のせいだ。
しかし、何か…何だろう?
毎日は、それなりの不満や不足はあるものの、楽しみもありごくごく普通に流れている。
「これでいいんだろうか?」
声にせずつぶやいたあなたは、胸の奥に、わずかなざわめきを感じる。
あなたはまだ、気づいていない。
声なき呼び声は、あなたが気づくまで呼びかけ続けるだろう。音量を増し、間隔は短くなり、あなたを駆り立てる。
あなたの胸に直接呼びかける声は、こう叫ぶ。
『英雄よ、目を醒ませ!』
はじめに
ヒーローズ・ジャーニーとは、映画界(ウォルト・ディズニーなど)に関わったクリストファー・ボグラーが体系化したものです。
その元は、学者であるジョーゼフ・キャンベルが、世界中の神話を収集して発見した法則でした。
キャンベルは、神話に類似点を見出し、点をつなげました。
ボグラーはそれをさらに洗練させて、映画脚本を選別する基準として使い、そのうちにこの法則が、物語だけでなく生きた人間の人生においても活用できるものだと気づきました。
それは「人生における人間ドラマの本質」とも言えるものであった。本書を通じて、私は『ヒーローズ・ジャーニー』が人生のガイドブックそのものであり、人間という芸術作品の完成された解説書であると思うようになった。 『神話の法則-ライターズ・ジャーニー』より
ヒーローズ・ジャーニーの活用例
ボグラーが体系化したヒーローズ・ジャーニーを用いて、物語を創作することも可能です。実際に、この構成を意識して作られた映画もあります。
創作活動に関わっておらずとも、私たちは以下のように活用することができるでしょう。
- 人生という道の途中で迷子になったとき開く地図として。
- 過去の出来事は自分にとってどんな意味があったかを読み解くためのテンプレートとして。
- 困難に直面したとき、ヒントを示してくれるものとして。
- トラブルを予測するために書かれたガイドブックとして。
- 自分は何のために生きているのか、ミッションを見つける鍵として。
当ブログでは、実在する3人について、ヒーローズ・ジャーニーを用いて分析をしています。
私自身のヒーローズ・ジャーニー では、私自身の。
そして、Twitterを通して知り合ったおふたりを
ヒーローズ・ジャーニーで読み解く『僕の婚約物語』
成長譚というヒーローズ・ジャーニー『やんちゃな男の子とギターの物語』
それぞれ、分析させていただきました。
もしご一読いただけたら、雰囲気をつかんでいただけるかと思います。
ヒーローズ・ジャーニーの基本形
上図は、私がカウンセラー養成講座で教わったもので、当ブログで用いているヒーローズ・ジャーニーの基本形です。
大まかな、必要最低限の解説は、 私自身のヒーローズ・ジャーニー にありますので、よかったらご参照ください。
ヒーローズ・ジャーニーを読み解く練習
ヒーローズ・ジャーニーは基本の形のあるものなので、練習すれば、誰でも使いこなしていくことのできる便利で役立つツールです。
勘のいい方なら、これだけでも、自分で自分の物語を読み解くことができるかもしれません。
しかし私は、一人でも多くの方に、ご自身の物語を読み解いていただきたい。なので、私流ではありますが、より細かな解説を試みようと思います。
先に示したように、当ブログには、3人分の事例があります。これを使わない手はない。
興味があり、自分でも自分の物語を読み解いてみたいと思われる方に、勘をつかんでいただくための例として、私がどうやって3例を分析したかを記してみようと思います。
また、より一般的な例を示すのも効果的かと思います。
映画『マトリックス』はご覧になりましたか? 私のとても好きな映画です。
できれば、マトリックス3部作の、ひとつずつをヒーローズ・ジャーニーで読み、さらに3作合わせた全体を読み解いてみたいとも考えています。
さいごに
ヒーローズ・ジャーニーの扉として、今回は、どんなものなのか? どう活用できるのか? と、その例をご案内しました。
これだけでは、その魅力をお伝えしきれていない。
今後、詳しい解説と、事例を用いての読み解き方の練習、さらにはヒットした映画を読み解いてみて、それから…
機会をみて、少しずつ、奥深いヒーローズ・ジャーニーの世界をご案内できたらと考えています。
これを読んでくださっている、あなた。あなたもヒーローズ・ジャーニーを旅しているのです。
人生という旅、あなたという物語をより深く豊かなものに感じていただきたい。
当ブログが少しでもお役に立てればと願い、いったん幕とします。
ご自身の経験を思い出しながら、読んでいただくようにしてみました。