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小さな勇者を育ててみよう

電車内でのトラブルや事件にまでなるものを、見聞きすることは多い。けれど、小さな親切と云われるような、ほっこりとするようなエピソードはそう多くはない。
ニュースにならない、日常の光景。
善いものを、私たちはなぜ、あまり見聞きしないのだろうか?

brave

通勤をしなくなって、日常的な用事は近所で済む。私は、めっきり電車に乗らなくなった。
いつものことだと気づかないであろうことも、たまにならば気づくのか、たまたまの巡り合わせなのか? ここのところ電車内で、席を譲ろうとする人たちを見かける。

言葉なく立ち上がって、少し離れた場所へと移動する人を見たことがある。
なんとなく目にして、そのまま降りるのかな?と見ていたら、そうではないようだった。
目の前にいたご年配の方に、席を譲ったんだろう。不器用かもだけれど、互いが気兼ねすることないスマートなやり方でもあるなと感心した。

私自身は、声をかけることができなかった。なんてときもある。恥ずかしくて。
断られたらどうしよう? そんなことを考えちゃって。
「ここどうぞ」「座ってください」口から出て、自分でびっくりすることがある。そのときは、まるで考えてない。
そうか、余計なこと考えず条件反射で席を譲れるようになれば、やりもしないでもじもじしなくて済むのか。

ベビーカーを乗せたり降ろしたりに、手を貸そうとすることもある。
お母さんたちは皆、たくましく、他人の助けなど必要としていないように見える。
たいして役には立ってないなと、自分で思う。でも、いいじゃないかと考え直す。私が、手助けをしたいのだから。

小さな親切は、大きなお世話となってしまうこともある。
私はひどい拒絶にあったことはないのだけれど、席を譲ろうとして怒られた、なんて話もよく聞く。

手助けして拒絶されたから、しようとしなくなる人もいる。
手助けをしてもらえなくて、期待しなくなる人もいる。

手助けしない・してもらえないのが普通だと、私も思ってきた。みんな独りでできるのだし、やっているのだからと。こんな考え方が、きっと、世の中をギスギスさせてしまうのだろう。
だから、小さな勇気をもちたい。

自分の善いと思ったことを、行動する勇気を。

思いやりや優しさの拒絶にも、相手が悪いのだと攻撃しない勇気を。

相手に届かなかったのはなぜか、どうしたら受け取ってもらうことができるのかと、へこたれることなく自らを省みる勇気を。

もしたくさんの人が、小さな勇気をもったなら、世の中はもっとほっとするようなものになっていくのかもしれない。
想像してみて? 満員電車が殺伐としたものでなく、心の中に小さな勇者を住まわせた人々に溢れていたら…

素敵だろうなと想うから、まず私が、自分の心の中の小さな勇者を育ててみよう。
電車に乗らなくっても、小さな勇者の活躍の場は、きっとたくさんあるものね。