決められた環境にあらがえ!音楽で紹介する映画『Fotloose』
猛烈なイライラを感じて、もういっそのこともっと煽ってちょうだい!な勢いだった。
アップテンポで「あっち行ってよ!」「もうほっといて!」とかって歌詞の曲が聞きたくて、iTune Library を探してました。
まったくねぇ、4,769曲が入ってるっていうのに、ふさわしい曲の1つも見つけられないだなんて!!
さらにイライラを募らせて、逆にどこまで高じるものなのかと興味さえ湧いてきた。すごいエネルギーだよ。なんでもできそうなぐらい。
で、思い出したのが、映画『Footloose』でした。
ここでは、私の記憶にあるこの映画を YouTube から、音楽で紹介していきます。
はじめに
1984年に公開された映画『フットルース』は、都会育ちの主人公レンが、小さな田舎町に引っ越してきたところから始まります。
作中に「マドンナも知らないのかよ?!」というセリフがあったと思う。マドンナの Like A Virgin が一世風靡したのも同年でした。
そこは、ある若者の死がきっかけで、ダンスとロックが禁止された町でした。
牧師の影響の強い保守的な町に、都会から来たレンはしだいに息苦しくなっていきます。
町のワルとの小競り合いや、牧師の娘との恋。映画としては、昔懐かしいシンプルなストーリーなのですが、いつの時代にも共通する若者の成長物語を見ることができます。
サイドストーリーに壊れかけた家族の再生を盛り込んでいますが、一人の若者の自由を求める闘いが『フットルース』の最大の魅力です。
この映画は後年、ブロードウェイミュージカルにもなったようですね。
音楽で綴る Footloose
ロックが禁止された町のBGMは、ロック。
ケニー・ロギンスが歌う主題歌『Footloose』から幕開けです。
Footloose – Kenny Loggins
足だけを撮って、それでもこれだけいろんなステップがあるってすごいなぁと思った記憶があります。オープニングナンバーです。
I been working so hard
Keep punching my card
Eight hours, for what?
Oh, tell me what I got
I got this feeling
That time’s just holding me down
I’ll hit the ceiling
Or else I’ll tear up this town
1日8時間もあくせく働いて、いったい何が得られるってんだ? この町の制限なんて打ち破ってやる!
歌い出しに、この映画のテーマが明示されているように思えます。
Dancing in the Sheets – Shalamar
町の様子が描かれるシーン。
不良たちがたむろし、ご機嫌な曲でみんなノッてる。ごくありふれた風景を、ブチっと止める者があります。
シーツにくるまって踊ろう、という意味深な歌詞。どの国のいつの時代でも、不良たちはおませですね。
Holding Out For A Hero – Bonnie Tyler
町の不良たちに目をつけられた主人公は、巻き込まれるようにして決闘することになります。
ブルドーザー? 主人公は普通の車なら運転できるみたいですが、勝手もわからず動かして、幸運が味方して勝っちゃう。
強い男を待ち焦がれる、という歌。
日本でも、麻倉未稀さんによって日本語でカバーされました。
Let’s Hear It for the Boy – Deniece Williams
これ、すごくかわいいシーン。リズムをとったこともない男の子が、一生懸命ダンスを練習する。観てるとだんだん楽しくなってきます。
カレったらお金持ちでもないし、イケてないし、ロミオじゃないけど、でもね… ノロケてるんだねって歌詞が、このシーンとぴったりな気がします。
Almost Paradise – Mike Reno & Ann Wilson
ヒロインは、牧師の娘。不良グループのボスのカノジョ。
無茶なこともしてた彼女は、主人公と会って、自分を立て直していきます。
完璧な愛を見つけるなんて、そう簡単なことじゃないけれど、あなたが心をくんでくれた。
慣れない・馴染めない町に孤独を感じていた主人公と、問題を抱えたヒロインが、ともに惹かれあって行くのはよくわかる気がします。
Never – Moving Pictures
映画の中で、おそらくは一番有名になったシーンでしょう。つのらせたフラストレーションを一気に爆発させて、主人公が踊る。
設定では、主人公は高校生だったんじゃないかな。
かつて若かった頃を、思い出さない? あのエネルギーにあふれたかんじ。
You can never, never, never, ever, never, never, never, ever
Hide your heart
Dont ever, ever, ever, ever try
If you dont give your heart wings
Youll never, never, never ever never, never, never ever
Fly
君は けして決して 自分の心を隠せない。もし心に翼を与えなければ、君は けして決して 飛ぶことなんてできないんだ。
繰り返される never ever のリズムで、うゎーっと体の中の何かが盛り上がるかんじがします。
日本では、MIEさんが日本語のカバーを出してました。
I’m Free (Heaven Helps The Man) – Kenny Loggins
この曲が、作中のどこに挿入されていたのか、覚えていません。ヴィデオは NEVER と同じものでしょうか。
Footloose のサウンドトラックの中では、私はこの曲が一番好きです。曲の疾走感と、歌詞がすごくいい。
heaven helps the man who fights his fear
Love’s the only thing that keeps me here
You’re the reason that I’m hanging on
My heart’s staying where my heart belongs
(I’m free)
自身の恐れと闘う者を天は助く。愛が唯一、君こそが僕の踏みとどまる理由なんだ。心のあるところに僕はある。
I’m Free!と、一緒に叫びたくなります。free には、束縛されていない・解放されたなどの意味合いがあるんですね。この映画のテーマは、与えられた環境に隷属することなく、挫折しながらも諦めることなく、信じるものを求め続けることなのだと思います。
Final Dance
ヴィデオでは、映画のラストシーンと、ミュージカルのでしょうか?同じシーン。音楽は、最初の Footlooseのテーマです。
このお祭り騒ぎは、彼らが勝ち取った勝利。若いからのバカ騒ぎなんじゃなく、歓喜なんです。
かつて踊れなかったカレもカノジョにかっこいいとこ見せてます。
踊れる男の子って、かっこいいよね。
さいごに
映画『フットルース』を、記憶を頼りに、かいつまんでご紹介しました。リアルタイムでは私は観ていないのですが、ビデオで3回ぐらいは観たかな。
20代・30代の頭ぐらいで観たときとは、今持っている感想は変わっています。最初は、主人公のダンスシーンがかっこいいだけの青春映画でした。
記憶に残る物語には、自分にとっての何かしらの意味があります。
こうしてご紹介することで、どこかで誰かの心が、なにかを感じていただけたらいいなと思っています。