Slow Down

2019.7.4

梅雨前線が停滞してるとかで、1週間ほど天気がすぐれず、調子がよくなかった。「しんどい」なんて言葉で想うなんて、そうとうだ。
身体は感じる。アタマでは意識することのない“かんじ”までも。気圧やらなにやらを感じとり、反応してる。生きてるだけで、いろんな刺激がある。
月に1度あるかないかぐらいでの、それなりに「目が醒めた」な目覚めだった。うちのコも耳の根元を持ち上げて、私の動向を伺うくらいに元気。雨でも外には出られる。

住んでいるマンションの前はちょっとした広場になっていて、ぐるっと四角く屋根がある。雨が降っていても、風が強くなければ、濡れない。運動にはならないけれど、犬を歩かせられる。
座るものもいくつもあって、犬を膝に、奥のタワーマンションから駅へと抜けて行く人々を眺める。うちのコは、人間を見てるのも好きなようだ。
中央に植えられた大きな木が、風にざわめく。ザザザと鳴る葉ずれの音が、耳に心地よい。
静かな時間。雨の日は、色彩も音も抑えられ、過敏なところもある私の感覚に優しい。

… Slow Down

現代は━━という言い方が適切かどうかわからないけれど━━何もかもが急ぎすぎてる。自らも急ぎ、また流れについていくためにも、人々の気持ちに余裕をもつのは難しいと思われる。「はやくはやく!」内外から急き立てられて、それでものんびりとしてなどいられるだろうか?
急いでるのにジャマが入れば怒りたくもなる。私たちはイライラとしている。一心不乱に急ぎ動いていたら、美しいもの素敵なものに目を止めにくくもなる。不快でないものは見過ごされ、喜びや楽しさを味わう機会も逃してしまう。

たりないのは、楽しさだ。必要なのは、よろこびだ。
人が人らしく生きるには、楽しみを見つけよろこびを感じる気持ちの余裕がいるんじゃないかと思う。余裕とは、リキミのないリラックスした状態。
緊張感は、必ずしも悪いものではないのではないのだけれど、ずっと緊張し続けている状態はよくない。心にも体にも負担がかかりすぎる。呼吸も浅くなる。

静かな朝に、膝の上の犬の体温を感じながら、こうした時間を一人でも多くの人がもてますようにと祈る。心も体もリラックスして、感覚をのびのびとさせてあげられるような時間を。
不快にばかりとらわれてしまうような状態で人間らしく生きられているとは、私には思えないんだ。むしろ、楽しみよろこびを感じられるほどにリラックスした状態が、私たちの本来の姿なんじゃないかと思う。

Bobby Valentino – Slow Down (Official Video)