お酒が好きなのだけれど
お酒が好きなのだけれど。改めて考えてみて「お酒が好き」なのとは少し違う気がした。私はきっと、酔った自分が好きなんだ。
お正月に、少し遠い場所にあるスーパーへ行った。お酒売り場の面積が広くとってあって、どんなものがあるのかと見ていた。運命の出会いをしてしまった。なんと伊佐美があるじゃないか! それは私が飲んできた中で最も綺麗な味のする芋焼酎で、滅多に売ってない・置いているお店も多くはないという代物。
四合瓶ならば、ためらいもせず買っただろう。しかし、そこにあったのは一升瓶のみ。
もうずいぶん長い間、まともにお酒を飲んでない。すごい悩んだ。一升なんて買っちゃって、記憶にあるのと違って飲めなかったらどうしよう?
なんて、あんなに悩んだのを、2週間かかったかな?飲んでしまった。
お酒が飲みたい。
暖かくなると、飲みたくなるのは白ワイン。金色のワインの入った姿の良いグラスが汗をかいているのも見目良い。でしょ? 甘いワインが私の好みで、至福の時を過ごせる。
そうだ、私は酔った自分が好きだ。
お酒が好きなのとはちょっと違う。ちょっと、ね。
飲食物を「好き」と言うには、その味わいを好んでいるのが条件だと想う。
私はお酒の味を、必ずしも好きではない。芋焼酎なんて、あんな臭いものを好きじゃない。だけど、芋は芋らしい香りの臭いものほどおいしいんだ。矛盾だけど、息をとめて飲んでる。ロックじゃないと臭くって飲めたもんじゃない。
酔った自分が好きなのは、私には制限が多いからだなのかもしれない。いまだに!と驚く。
お酒を飲み始めた頃ならわかるのよ、たしかに制限が多かった。“〜でなけらばならない” し “〜しなくてはならなかった” んだもの。
心理カウンセリングに通って、以来独学でもずっとやってきて、それでもなお私にはまだ制限が多いのか。
驚くと言うよりもう愕然とする。
禁煙してみておかしくなって、カウンセリングに行ってたときのような泣き方をして、どうしてだろうと不思議だった。
しばらくして、煙草を吸うというのは、私にとって逃避だったと気づいた。
仕事もしてなくて、嫌なことは何もしなくていいと言ってもらってもいて、それでもなお! それでもなお私には逃避が必要だった。なぜだろう?
癖でしかないと思った。煙草を吸う、習慣でしかないと。
だけど、もしそうだったのなら、なぜあんなにおかしくなった? そして今、煙草の代わりとして、そう、代わりとして、酔うのをしようとしてる?
心というのは、アタマで理解できるものではないなぁと思い知らされる。
昔、大好きだった女性に教えてもらった。「フランスのワインは弱い。イタリアとかのワインは強い」と。彼女の言った弱い・強いは保存の難しさ。つまりフランスのワインはデリケートで、輸入から店頭に置かれている間の環境がワインに大きく影響する。
ドイツの白ワインが好きなの。黒猫の絵が描かれたラベルのツェラーシュバルツカッツが甘くって。
たぶんツェラーシュバルツカッツにも種類があるんだろうけど、こっこではカルディで1,000円ぐらいで売ってるやつのことを言ってる。
煙草の代わりに白ワインじゃ、よけいお金がかかるな。などと計算してる。貧乏がしみついてもいる私らしく。しかも私は無収入なのよ、払えるわけがない。
他には?と考えてみて、すぐにジンを思い出した。ビーフィーターのトニック割。トニックはシュウェップスがおいしいの。だけどコストがなぁと、これも気になる。最寄りのスーパーじゃ、なぜかトニックウォーターを売ってない。
ビーフィーターの炭酸割りは、私は好きじゃない。炭酸がきついし、甘さが足りない。じゃあ気の抜けた炭酸にお砂糖でも足してみる? それも悪くないのかもしれないけど、ジンジャーエールで割るのを試してみよう。ジンバックを初めて知った。
ウォッカを買ってきて、モスコミュールもいいかもね。
法律に引っかからない範囲で、何にでも依存していこう。たくさんの依存できるものを見つけよう。
「依存」と言ったら聞こえが悪いんだろう。「生きる助け」と言えばいい? 同じ意味なのだけど。