即効性あって効果大なものなら使えばいい?
苦手なものを克服する方法は、対象にもよりだろうけど、たくさんあるね。そのなかの一つに、NLPの技法もある。
今回は、心理療法の一つとしてのNLPをご紹介します。
歯医者のチュイーンが怖いなら、オーディトリースイッシュしちゃえばいーんじゃない?思いついたものの、NLPの技法を安易に使うことへの抵抗感があったって…
あ、これブログに書っこう!— Nyan (@nyan_chest) 2016年9月5日
NLPとは
Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の頭文字をとって、NLP。
歴史は割と新しく、1970年代の中頃、アメリカのジョン・グリンダー(言語学)とリチャード・バンドラー(心理・数学)によって編み出されました。
彼らは主に、催眠療法のミルトン・エリクソン、家族療法のバージニア・サティア、ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズのセラピーを分析し、共通パターンをプログラム化したんだそうです。
日本では、いつだったかなぁ、ビジネス界で大流行りしたことがあった。自己啓発系のセミナーなんかでもバンバン紹介されたらしく、胡散臭いイメージを持ってる人も多いみたい。
だけどね、私はここを強調したいんだけど、ベトナム戦争後のPTSDに苦しむ人たちの症状改善に高い効果をあげたそうです。このことから、それまでの心理療法より即効性があって、より多くの人に効果があると言えそうです。
効果が高いがゆえに・・・お薬がそうであるように、用法と容量は注意が必要なものでもあると、私は考えます。
オーディトリー・スイッシュ(スウィッシュ)とは
かんたんに言えば、音に対する認識を変化させる技法です。
バクッと内容を説明すると、苦手な音、私のばあいは歯医者さんでのチュイーンという音をまるで今ここで聞こえているかのごとく蘇らせ、イメージのスイッチを押す(手まねをするのも可)とその音がふっと消える、あるいは何か他の音に切り替わるというのをイメージしていきます。繰り返していくことで、脳内の『チュイーンが聞こえる→怖いという気持ちになる』パターンを変化させる。こんなかんじです。
NLPの最初の“神経”は、主に脳神経を意味していると捉えて間違いはないと思います。脳の神経回路の接続をつなぎ替えていくようなイメージです。
音の他には、絵か写真のように思い浮かべることで苦手な人や物だったりを克服するなんて方法もあります。
NLPに対する私のイメージ
冒頭でも言ったように、即効性があり効果の高い技法であるがゆえに、用いてもいいときとよくないときがあると考えます。まぁ、よくないばあいは効果ないってこともよくあるだろうけど。
知り合いに、NLPにハマっておかしくなったんじゃないの?と感じる人がいます。詳しくはお話できませんが。
いわゆるインテリ、よく言えば難しいことをよく知っていて知識が豊富で頭のいい人、悪く言えばアタマデッカチな、しかも男性がNLPにハマる率が高いと感じます。私の身近がそうだってだけかもしれませんが。
一人に「どうしてNLPなの?」と聞いたら、私には理解のできない答えが返ってきた。ズバリを訊けなかった私もいけないんだけど、そこを訊いてるんじゃないんだけどなぁって応えだった。質問のしかたって、重要だよね。
率直に言ってしまうと、NLPスクールって洗脳してなぁい?と疑ってます。だって、脳の回路のつながりをいじれる人たちがやってるんでしょ?と。疑いすぎだとは思うし、人間には基本的には本人が嫌だと思ってることはやらせることができないようになってると信じてもいますが。
NLPが重要視するものの一つに、エコロジーチェックがあります。これは「もし変化を起こしたら、その後はどうなるか」を事前に気をつけるものです。
例えば、この前あったのが「ときどき扁桃腺が腫れて困る」と言った人がいました。そういった体の症状も、心のことを変化させると改善されることがあります。ただね、改善しちゃっていいのか?が問題なんです。そう言ったら、その人は「たしかに、これがあるから『ああ休まなくちゃ』と思う」と言ってました。
NLPの技法では、アレルギーさえ改善する。消し去って無くなってしまう、なんていう例もあるようです。
…していいと思う?
好みから言えば
私、MM(めっちゃマゾ)なので、歯医者に行くたびチュイーンと対峙することを選びます。そのときのこと、余すことなく体験して、いろんなこと感じて考えて肥やしにしちゃいたい。心の基礎体力がついてきたようなので、それができる。パニックを感じなから、パニックに飲み込まれることなく(危うかったけど)、観察することができる。こっちの方がいいなと思ってます。そのときのようすは まさか私が!口を大きく開けてパニックにつきあった を読んでみてください。
私個人は、心の基礎体力を重視します。できるだけ体力をつける方向でいきたいってことです。苦手だからといって、無くしてしまっていいとは思ってなくて、むしろ苦手を体験する方向も、できるならしていきたい。もちろん、無理なことはしません。無理でもするんだったら、今ここでブログ書いてないで、外で働いてると思う。
NLPは、本当に苦しんでいる人、心の基本的な体力をおとしてしまっている人にはいいんじゃないかと思います。PTSDとか、フラッシュバックとか、つらいよね? つら過ぎるものだと思います。
そうでなく、余裕があるなら、そしてもし私がカウンセラーなら、人がもともと持つ自然治癒力の働きを促進するような形でかかわりたい。自助を促すとは、そういうことだと思っています。技法は、無理のない変化の過程を促進するもので、技法そのものが解決策ではないと学んでいます。
扁桃腺が腫れると言っていた人は、心が健康だった。困ってるとは言ったけど、本人にとってメリットのある困りごと。心の健康な人だから、扁桃腺を腫れさせることで得ているメリットを、もっと違ったやり方で得る方向へ変化していってもいいんじゃないかとは思った。本人が望むならね。
さいごに
NLPの技法の即効性と効果の高さを承知してはいるものの、あるていどの心の基礎体力があるなら、困難も試行錯誤しながら乗り越えた方がいいよねという話でした。