知ってるつもりで意外と知らない『気持ち』とはなにか?

2017.2.15

カウンセリングを学び始めた頃、つまずいたのが「気持ち」ってなんだろう?でした。よく「喜怒哀楽」などと言ったりしますが、それだけじゃないですよね?
「気持ちってなぁに?」と子どもに訊かれたとしたら、応えることができますか?
当ブログでも頻繁に扱う、『気持ち』。私たちが日常的に口にしたり、使ったりしている『気持ち』とはなにか? まとめます。

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はじめに

「どんな気持ちだった?」と訊くと、たいていは「嬉しかった!」「悲しかった…」などと返ってきます。しかし、なかには「ああでそうでこうだった」と状況を説明してくれる人もいます。おもしろいなぁと思っています。
私たちは、『気持ち』というものを、意外に知らない。知ってるつもりでいる。
私自身が始めて、知らないという事実に気がついたのは、認知行動療法の基礎を学んだときでした。気持ちを書く欄があったんですが、書けなかった。

「もし…だったらどうしよう」不安を味方につけて夢を叶えよう で、さも当然であるかのように『外側にある事実・現実の物事と、自分の内側にある考えや気持ちを仕分けする』と言いました。気持ちとはなにか?を知らないと、分けることができないですよね。

気持ちとは?

ちょっとネット検索して調べてみると、いろんな人がいろんなこと言ってるとわかります。ここでは心を扱っているので、心理学的な立場から捉えたいのですが、一般的に使われている意味合いも知っておきたい。
何かを知るのに、比較してみるのは理解を深める手段の一つです。ここでは、『気持ち』を似たような表現の『気分』と『機嫌』とで比べます。

  • 「気持ち」は感情的、「気分」は生理的。
  • 「気持ち」は、何か特定の対象とか刺激によって生じる。
  • 「気分」は自分の心身のある程度持続する状態や、全体の雰囲気など。
  • 「気持ち」は態度としても用いられるので、能動的に持つことが可能。
  • 「気分」は自分の意思では変えにくいが、ちょっとしたきっかけですぐに変わったりする。
  • 「気持ち」は具体的、「気分」は抽象的。
  • 「気分」は自分の心の動きを指す。
  • 「気持ち」は、心のおかれている状態。
  • 「機嫌」は、「気持ち」に比べて一時的な心の有り様を言うことが多い。
  • 「機嫌」は、「良い」か「悪い」かに限られる。
  • 「気分」「気持ち」に比べて一時的であるという意味では「機嫌」と似ているが、単なる心持ちというよりは肉体的な状態、健康状態との関連から述べられることが多い。

ネット上のいろんなところから、ちょっとずつ拾ってきました。まとめると、

  • 「気持ち」は、刺激によって生じ、ある程度持続し、自らの意思によって特定の気持ちを持つことも可能である、心の状態のことを指す。
  • 「気分」は、身体的生理的に生じ、一時的であるが、自らの意思によって変えにくくもあり、しかしちょっとしたことでも変化する、心の動きのことを指す。
  • 「機嫌」は、一時的な「良い」か「悪い」かに限られて使われる、『気持ち』や『気分』や身体状態などを表現するときの言葉。

こんなかんじで、どうでしょうか?

今回注目していきたいのが、刺激によって引き起こされるものであり、自らの意思によって選択することも可能な『気持ち』です。

気持ちを表す言葉たち

よくよく観察してみると、『気持ち』を言い表すにはルールがあることがわかります。そのルールとは、短い言葉で言い表すことができる、です。
以下に、例を挙げます。

イライラ、 うんざり、 おかしい、 さっぱり、 ハッピー、 パニック、 やる気、 ワクワク、 愛しい、 快い、 懐かしい、 楽しい、 あきらめ、 うざい、 がっかり、 さみしい、 ショック、 せつない、 つらい、 ハッとする、 びっくり、 むかつく、 やりきれない、 やるせない、 怪訝、 喜び、 嬉しい、 希望、 期待感、 気がかり、 気になる、 気合い、 泣きたい、 怯え、 恐怖、 興奮、 驚き、 緊張、 苦しい、 苦痛、 屈辱感、 激怒、 嫌な予感、 孤独、 誇り、 幸せ、 困惑、 罪悪感、 残念、 失望、 受け身、 傷ついた、 心配、 不快、 静か、 惜しい、 絶望、 爽快、 恥ずかしい、 悔しい、 怒り、 悲しみ、 疲れた、 不安、 不可解、 不幸、 不思議、 不信感、 不愉快、 不満、 怖い、 腹立たしい、 平静、 平和、 万能感、 無我夢中、 無気力、 無力、 愉快、 憂鬱、 落ち着かない、 落ち着き、 落ち込む、 落胆…

以上、山ほど挙げてみました。どれも短い言葉だってわかります。私個人は「〜なかんじ」と表現することもあります。
これを見ただけでも、私たちには喜怒哀楽のみならず、種類も豊富な『気持ち』があるとわかりますね。

気持ちは人それぞれ

気持ちは、刺激によって生じます。
誰かに褒めてもらったとき、どんな気持ちになりますか? 嬉しい気持ち? 恥ずかしい気持ち? 怖い気持ちを感じる人もいますし、不安や落ち着かない気持ちを感じる人もいます。憂鬱になる人もいれば、怒りを感じる人だっています。
褒められたのに? そうです。

[baloon-line-left img="https://nyanchest.com/wp-content/uploads/2016/12/nao.jpg"]“褒められた” という “刺激” を受けて、どういう『気持ち』が引き起こされるかは、その人それぞれです。[/baloon-line-left]

なぜ、いいことのはずの “褒められる” に、不安や怒りや恐怖といった『気持ち』になるのか、認知行動療法を通してご紹介します。

さいごに

『気持ち』がどんなものか、改めてご理解いただけたでしょうか?

短い言葉で言い表すことができるもので、刺激によって引き起こされる状態ですが、自発的に選択することができるものなので、自らの意思によって変化させることも可能です。

だからね、誰かのせいで、自分は怒っちゃったとか悲しくなっちゃったとか、もしかしたら言い訳かもしれないんです。