伝えたいことを伝えるために参考にした2冊の本

2016.8.4

私の本棚には、話しの聴き方の本が6冊あります。対して、話しのしかたは2冊しかない。この2冊を改めてめくってみたら、興味深いものがありました。
今回のテーマは『伝える』です。

白い壁とノートをとる人

はじめに

伝えたいことをうまく伝えるにはどうしたらいいんだろう? そういえば、うちに本があったはず!と、引っ張り出してきました。その名も『一瞬で大切なことを伝える技術』。
ついで、伝え方についてのもう一冊『気持ちが伝わる話しかた-自分も相手も心地いいアサーティブな表現術』も出してきました。

別々にご紹介した方がいいほどの内容なんですが、今回ここでまとめちゃおうと思ったのは、みごとに対照的だから。片方は“考え”の伝え方、もう片方は“気持ち”の伝え方です。

“考え”と“気持ち”を『対照的』と表現するのは、なぜか? 本のご紹介の前に、私の思うところを少しお話しさせてください。

ロゴスとミュトス

 『一瞬で〜』の本の出だしに、こんなことが書いてありました。

ロジカルとはギリシャ語のロゴスに由来する、理性的な論証。対比されるのはミュトスで、物語のこと。

 ミュトスという単語に目がとまりました。

ロゴスは、ミュトスと対比して用いられていた。
Wikipedia ロゴス – Wikipedia

ミュトスは、ギリシャ語の『語り伝えられるもの』を意味し、非現実的・空想的・擬人的な物語、神話、伝承などと訳されます。
どう用いられたのかというと、事実の記録としてのロゴスに対し、比喩的・直観的表現としてミュトスがあったようです。
理屈のロゴスに対し、ミュトスはイメージに近いのかと思います。

私個人の解釈では、“考え”は脳で組み立てていくもので、“気持ち”は心で感じるものです。飛躍するようではありますが、『タテマエとホンネ』と置き換えてみると、わかりやすいでしょうか?
「ああ、タテマエとホンネか…」そう思いついたので、今回ご紹介する2冊の本は対照的だなと思いました。

余談になりますが…
『タテマエとホンネ』という意味では、プライベートな場面、例えば家族や友人にはロジカルな伝え方だけでは不足だし、ときに不適当とも考えます。
どうしてか? また別の機会にお話しさせてください。

2冊の本の紹介

さて、対照的な“考え”と“気持ち”をそれぞれ、じょうずに伝えるための本のご紹介に移ります。

『一瞬で〜』が“考え”を伝える、職場などで最適なやり方だとしたら、『気持ちが〜』は、特にプライベートなやりとりに最適な方法だと思います。
気持ちを伝えるのって、意外に難しいものですからね。

ロジカルは“考え”を伝えるのに最適

ロジカルって何?は、いいよね? 一言で言えば、論理的なこと。
 『一瞬で〜』の本の大見出しは以下

  1. ロジカルに伝える最強の技術、『重要思考』
  2. 言いたいコトをはっきりさせる
  3. 言いたいコトを相手に伝える
  4. 相手の言いたいことを理解する
  5. 相手とちゃんと会話・議論する
  6. 『重要思考』で ほめる・つなぐ・ファシる・決める

特徴的なのは『重要思考』という考え方。もっとやさしい言葉で言うなら「大事なところで差があるか」だそうです。こんなふうに公式化されています。

重要思考 = 重み + 差

いくつもの例をあげて、ていねいかつロジカルな簡潔さで書かれている本です。
4コマ漫画が盛り込まれていたりと、ロジカル苦手な私でも読むのが苦になりにくいです。
仕事の場などの日常に活かせるような、話しを聞く・相手をほめるにまで言及されていて、なかなか良い本じゃないでしょうか。

アサーティブは“気持ち”を伝えるのに最適

「アサーティブ」は、ロジカルよりも馴染みのない言葉だと思います。
詳しくはこちら(アサーティブ ジャパン )を見てもらうとして、アサーティブ(正確には『アサーティブネス』)とは考え方・思想の1つと思ってもらっても構わないと思います。
本のなかから引用しましょう。

自分も相手も大切にして、自分の感情や要求を、率直に、誠実に、対等に伝えることのできる自己表現の考えかたと方法

興味深いのは、アメリカ生まれだってとこ。
自己主張が強く、要求をストレートに言い放つ国との印象がありますが、だからこそなのかな? じょうずな伝え方、スマートなやり方が求められるのかもしれませんね。
大見出しは以下。

  1. 対人ストレスを減らすために
  2. さわやかな人間関係を作る表現方法〜アサーティブネスの基本テクニック
  3. 状況別アサーティブネスな対応法
  4. 対等な関係を築くヒント
  5. 無理なくアサーティブであり続けるには

コミュニケーションがうまくいかないのは?から、自分の心の確認、こんなふうにしてみたらいいよの提案と、内容的には盛りだくさん。
日常的によくあるような例をあげて、やさしい言葉と文章でていねいに書かれています。心の入門書としても、とてもいいと思う。

さいごに

伝えたいことは何ですか?
誰かに理解して欲しい? それとも、ほんとは自分が理解したい?

「伝えたい」のは「表現したい」ばあいもありますね。「ちょっと言いたいんだけど!」みたいなやつ。

自分の頭や心にあるものを、自分なりにカタチにしてみること・カタチにしようとしてみること、私はこれをとても大切なことだと思っています。
私たちは、常に何かを考え・感じている。しかし、いざ言葉にしようとすると出てこなくてモヤモヤする。そういったことは、ザラにあることです。
目的にあわせ、本を参考にしてみるのもよいかと思います。

特に、人と面と向かって話しをするときは気を遣いますね。
どんな言葉を選んだら、相手を不快にしないか?
どんなふうに話したら、自分が言いたいことを相手に理解してもらえるか?
そんなことを学ぶのにも、今回ご紹介した本は役に立っています。特に馴染みのない『アサーティブ』は、新しい発見も多いものでした。
家族や友人、親しい人ほど甘えてしまって最低限の礼儀も忘れてしまうし、その結果お互いに嫌な気持ちになることもありますもんね。

“考え”でも“気持ち”でも、じょうずに伝えて、お互いに心地よいコミュニケーションをはかれたら最高ですね。