【意味調べ】ウィット・エスプリ・インテリジェンス

2016.11.25

頭の中に、単語がひらめくことがあります。たいていは、辞書的な意味を知らない言葉。
食事中、主人に「ウィットってなに?」と訊いてみました。突然の質問には、もう慣れてくれてます。少し考えてから「こういうかんじのことじゃない?」と応えてくれる。
教えてもらった「こういうかんじ」が、どうやら私の“好みの人”にあるものだとわかって、意味を調べてみました。
『ウィット』の後で『エスプリ』と『インテリジェンス』も思い浮かびました。調べていくうちに、それらは関連していたことがわかりました。

ウィットとエスプリ

ウィットとは

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
機知、頓知(とんち)、才知。ウイットとは本来知力のことだったが、イギリスにおいて17世紀ごろから、当意即妙な発想を意味するようになった。(中略)18世紀には理性と想像力をともにしたきわめて都会的、文明的でしゃれた発想のことをいうようになり、(中略)辛辣(しんらつ)さを加えて風刺に流れる傾向が生じた。コールリッジによれば、ユーモアは本質的におかしさにかかわるが、ウイットは驚きを伴い、非個性的な知性より生じるものであるという。
コトバンク

ここでは言葉の意味の変遷を知ることができ、おもしろいなと感じます。
知力とは、物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力のことだそうです。ロジカル(論理的)にものを考えられるかどうか、と解釈してもいいでしょうか。
最初は単に『物事を論理的に考えることのできること』だったのが、
その場にうまくあった、しかも気の利いた(当意即妙)ことを言えるかどうか、になり、
近代では、聞いた人が思わず驚くような手厳しさ(辛辣)を含んで、なおかつ洗練された物言いができることとなっていった
と、捉えることができそうです。
ここでは『言う』を前提に考えていますが、それは、他者からの評価としてのウィットを考えているからです。その人の頭の中で『考え』ているだけでは、他人からウィットがあるかどうかは、わかりにくいですからね。

wit は英語です。英語圏で生まれた概念であると言えます。カタカナで『ウィット』とすると、日本語で、日本で用いられる概念になります。お国柄、文化の差などを考慮すると、意味合いも変わってくるのではないかと考えます。

論理、物事のまじめなやり取りのなかに興きを与えそうなユーモアを交えた話し方や切り返しに長けていること。
ユーモアを与えるには「余裕」が必要です。その人の性格や持ち前の問題もあるでしょう。
しかしそれだけではなく その論理、物事の本質を自分の物にするがごとく熟知しておく必要があります。その努力の成果がユーモアを与える余裕を生むのだと思います。
ですから考え方によっては努力にともなった高等な能力とも言えます。
YAHOO!知恵袋 より

上記の回答に、なるほどと思いました。私がイメージしていた『ウィット』と近かったので。どの辺りかというと「まじめなやり取りのなかに」「ユーモアを交えた」という点です。

エスプリとは

エスプリ
esprit
フランス語で「精神」「知性」,特に英語のウィット witにあたる「才気,機知」,すなわち批評精神に富んだ軽妙洒脱で辛辣な言葉を当意即妙に述べる才のこと。
コトバンク

ウィットの説明に『当意即妙』が用いられていたのに対し、エスプリには『軽妙洒脱』。これも興味深い。オシャレ感が漂ってると感じます。フランスだから?
こちらも辛辣さを含んでいますが、プラス、軽妙洒脱という軽やかさや爽やかさ。日本語で、少し近いのは「粋(いき)」でしょうか。
ただし、フランス語は単語の意味の幅が広いようです。

英語のspiritに相当します。(中略)
一般的に、フランス語の単語は英語より意味領域が広いです。
YAHOO!知恵袋 より

英語の wit と spirit では、だいぶ意味合いが違ってきます。エスプリの意味する spirit は、日本語だと“精神”を表す「大和“魂”」のかんじですね。

インテリジェンスとは

デジタル大辞泉の解説
インテリジェンス(intelligence)
1 知性。知能。理解力。
2 情報。諜報(ちょうほう)。
コトバンク

ウィット も エスプリ も、土台は“知性”。この“知性”については後述します。
ここまで調べてきてわかるのは、インテリジェンスのある人がウィットやエスプリを発揮し得るということでしょう。

私自身、間違っていたのが、いわゆる「インテリ」の意味するもの。

インテリという言葉はよく使われており、インテリジェンスの略語だと思われることが多いですが、実は「インテリゲンチア」(intelligentsiya)というロシア語が語源になっています。
インテリゲンチア(intelligentsiya)は「知識階級」や「知識階層」という意味の言葉。
意味解説ブログ

よく見聞きする「インテリは〜だから〜」のような、机上の空論を振り回しがちだとかという批判的なこと。上記の意味を理解すると、そういう役回り、立場にいる人たちだからじゃないかな?と思えてきます。決してそういう人たちばかりではないですが、傾向として、特徴として、頭脳労働をする人たちのこと、と考えてもいいのかもしれません。

知性とは

デジタル大辞泉の解説
ち‐せい【知性】
1 物事を知り、考え、判断する能力。人間の、知的作用を営む能力。
2 比較・抽象・概念化・判断・推理などの機能によって、感覚的所与を認識にまでつくりあげる精神的能力。
コトバンク

「感覚的所与」とは、例えば肌に暖かいと感じる、耳に聞こえる音、目で見る色や形。人の外側から刺激として与えられて、神経系を通して受け取る感覚と理解します。「一時体験」と言われるものも、これでしょう。
人は感覚で受け取ったものを、脳内で言語化し「ああ、それね」と認知(理解)します。「認知」の仕組みについては、また別のところで詳しくご紹介したいので、ここでは省きます。
ここでは『認識』。認識とは、目の前のリンゴを「リンゴがある」と認める(認知する)だけではなく「このリンゴというモノの本質は何か」までを知ることを指します。
リンゴの本質…難しい例えになってしまいました。ウィットやエスプリのある人なら、こういうとき、リンゴをどう言うでしょう?

知性 と 知識 の違いも見ておきましょうか。

「知識」は事実を知る蓄積です。
「知性」は理論や応用です。
YAHOO!知恵袋 より

“知っている”こと(知識)を応用することが『知性』であると捉えるます。

まとめ

個人的な好みで、まず上述の中から単語を拾い出し、一文にしてみます。

  • 理性と想像力をともに使った
  • その話の流れにうまくあった
  • 個性的
  • 時に辛辣さも含む、ユーモア・軽やかさのある、深刻になりすぎない
  • まじめで真剣なやり取りであっても
  • 本質まで理解しようとする

ウィットのある、あるいはエスプリの効いた発言とは、日頃から物事についてよく考え本質まで理解しようとする人の、理性と想像力を駆使してユーモアで味付けされた、会話の流れにマッチしているけれど個性的な物言い。

さいごに

すごく憧れる!と、上記一文にしてみて思いました。いるよね、そういう人。私の知るだけでも数人います。
その人と話をすることは、笑えるという意味でも興味深いという意味でも、とってもおもしろく、後から振り返っても充実した時間を過ごしたと感じます。また、後にそのときの話の内容を思い出しては、深く考えてみることもあります。
私が彼ら彼女らをとても好きな理由の一部分が、よく理解できました。